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神保町巡礼(其の二十六)神保町ブックセンター

 年の離れた姉の本棚にあった古い文庫本。薄紙のカバーに透ける唐草模様が大人びていて、小学生の私は背伸びして読んでみるものの、すぐに飽きて放り出す。そんなことが幾度かありました。日本初の文庫本、岩波書店の文庫本を手にした最初の思い出です。

 そんなことを思い出したのは、4月にオープンした神保町ブックセンターに行ってきたからでしょうか。2016年の冬、突然閉店してしまった岩波ブックセンター跡地に誕生したこのお店、なかなか面白い仕掛けがたくさんありました。

 いま流行のブックカフェという形態ではありますが、置いているのは岩波書店の本のみ。それを9000点も揃えています。いまどき岩波の本だけで勝負できるのだろうかと余計な心配をしてしまいますが、店に入ってみると、意外にその「岩波」風な整然とした雰囲気が強みかもしれないなと思わされます。

 カフェのメニューは岩波の文庫本と同じつくりで、Menuと書かれた表紙をめくると縦書きに「はじめに」とか「文庫ブレンドコーヒー」とあります。プリンアラモードやあんみつソフトクリームパフェといったスイーツの充実度が高い割に、なぜか朝からビールやホッピーセット、カップ酒が飲め、おつまみメニューも充実しているのは出版業界向けの設定なのでしょうか(想像ですが)。

 壁に書かれた「神保町ブックセンターの楽しみ方」のとおり、休日の午後の店内は飲む人、読む人、食べる人でごった返していました。神保町の休日は思いのほか人が多いので、今度は平日にゆっくり楽しんでこようと思います。(淑)

神保町ブックセンター