Civil

midas Civilでこんな解析をしました… Vol.20

 解析モデルを作成する際、手分けして作業できれば非常に効率的です。今回はmidasCivilのデータファイルのマージ機能を紹介します。解析例としたのは図1に示すスパン5m×5m×10mの2層フレームです。柱は300×300×12角型鋼管、梁はH500×200×10×16とし、基礎は完全固定としました。

図1 モデル概要

図1 モデル概要

 このようなモデルを解析する際に、例えば接合部の応力状態を詳細に調べたい時に、これを部分的に板要素でモデル化すれば、全体系の中での挙動を把握することができます。
 midasCivilでは梁要素と板要素を組み合わせることができるので、モデル化自体は問題ありませんが、大規模なモデルの場合フレームモデルの中で部分的に板要素をモデル化するのは少々やっかいです。したがって、接合部だけを別のモデルとして作成しておき、これをフレームモデルに組み込んでやればモデル化の作業分担も容易ですし、フレーム全体系モデルと板要素による接合部のモデルを個々に解析することもできます。
 ここでは中層部の接合部を別途板要素でモデル化しました。作成した接合部のモデルを図2に示します。柱梁の板厚はフレームモデルの諸元と同一としています。
 次に全体系フレームモデルにおいて、板要素で置き換える接合部の要素を削除します。(図3)


図2-3

 メインメニューからデータファイルのマージを選択すると、図4のダイアログが表示されるので、データファイル名の参照から別途保存した図2の接合部モデルのファイルを選択します。基準点は全体系モデルの座標系と接合部モデルの座標系の合わせるために入力するもので、接合部モデルの座標が全体系モデルで接合部の座標と同一であれば入力の必要はありません(すべてゼロ)。異なる場合は、接合部モデルの基準とする座標が全体系モデルの対応する個所に移動するように設定します。例えば接合部モデルの柱下端芯の座標が(0,0,0)の場合、全体系モデルの対応する節点の座標が(0,0,4)であるので、基準点に(0,0,4)を入力(図4)し、OKをクリックするとデータがマージされます(図5)。同様に反対側の接合部は基準点(5,0,4)、回転角Rz=180°を入力すればOKです。


図4-5

 ただし、この段階ではまだフレームモデルの節点と板要素の節点が連結していないので、平面保持を仮定して、これを剛体連結で接続してやる必要があります(図6)。接合部のすべての端部を梁要素の節点と剛体連結で接続すれば、全体系フレームモデルと同様に解析することができます。ここでは荷重として上層節点X方向に水平力10kNを載荷して解析を行いました(図7)。

図6 梁端および柱端の剛体連結

図6 梁端および柱端の剛体連結

図7 載荷荷重

図7 載荷荷重

 フレームモデルおよび複合モデルの変形および断面力の解析結果を図8~図11に示します。また、接合部のVonMises応力度コンターを図12に示しました。
 ここでフレームモデルでは「境界条件>梁要素の端部剛域設定」により、格点からフェイス位置までを剛域とし、板要素モデルでは同じ範囲の要素の弾性係数を大きく設定することによって両モデルを等価なものとしています。
 解析結果を見ると梁モデルと複合モデルで若干の違いが認められますが、これは複合モデルでは接合部近辺のせん断変形等、複雑な挙動が反映されているためと考えられます。このように、簡易な梁要素と詳細な板要素あるいはソリッド要素を適切に組み合わせたモデルを作成すれば、より少ない労力で目的に応じた詳細な結果を得ることができます。

図8 解析結果(変形:mm)

図8 解析結果(変形:mm)

図9 解析結果(曲げモーメント)

図9 解析結果(曲げモーメント)

図10 解析結果(せん断力)

図10 解析結果(せん断力)

図11 解析結果(軸力)

図11 解析結果(軸力)

図12 接合部のVonMises応力度

図12 接合部のVonMises応力度


  • ページの上部へ